白衣・ナース服の歴史はいつから?現代のユニフォームの変化や医師・看護師の最新服装トレンドも解説
医療現場のユニフォームとして定着している白衣。当たり前のように目にしているものですが、その歴史がいつ頃から始まったものかご存知でしょうか。
この記事では、医師や看護師が白衣を着るようになった経緯や、白衣の色に隠された機能などを紐解きつつ、現代に至るまでの医師・看護師用ユニフォームを解説します。
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医師用白衣の歴史はいつから?
白衣の歴史は古代インドで医者の役割を持つ人の服装に由来 実用化は19世紀以降
白衣が医療用ユニフォームとして定着したのは、現代からわずか100年ほど前のこと。しかし、古代インドでは白い衣に身を包んだ人が医者の役割を果たしていたため、白衣が誕生したのは紀元前であるとも言われています。医学的根拠はなかったものの、「治療を行う者は不浄ではいけない」と考えられていたのでしょう。古代においても、白は清潔さを連想させるカラーだったのかもしれません。
19世紀に入り、やっとヨーロッパを中心に公衆衛生の大切さが唱えられるようになりました。それまでは雑菌などに関する知識がないために、手洗いや病院内の掃除を徹底することもなかったというので驚きです。
日本では明治時代から白衣が医師の服装として定着するように
衛生管理が重視されるようになったことで生まれたのが、汚れが一目で分かる「白衣」。西洋医学は宗教に基づいた癒しや儀礼的治療であったので、白衣が広まるまでの医師は礼節を重んじる黒いフロックコートを着用していたようです。
日本の医師は、もともと和服の上に白い衣を羽織っていましたが、明治時代以降に洋装の白衣が一般化しました。
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看護師と白衣の関係・歴史
ナイチンゲールの歴史的功績からナースウェアがユニフォームとして定着
近現代における看護師の白衣スタイルをイメージづけたのは、「クリミアの天使」と呼ばれたイギリスの女性看護師、フローレンス・ナイチンゲール(1820年~1910年)です。彼女が戦場での治療に奔走した19世紀後半は、まさに公衆衛生が重視されるようになった時代でした。
ナイチンゲールは世界初の看護学校を設立し、宗教と看護・医療を切り離した偉人でもあります。修道女が病人の看護をした時代は終わり、正しい知識を持った看護師が活躍するようになったのです。ユニフォームも清潔さを意識して、長袖のワンピースに白いエプロンを重ね、白いナースキャップをつけるようになりました。
日本のナース服が変化したのは1885年の看護師教育がターニングポイント
日本では1885年に看護師教育が始まり、ナイチンゲールに倣って筒袖の上着に白いエプロン、ロングスカートのスタイルが定着。そして日中戦争が勃発した1937年、日本赤十字社救護看護婦の派遣に伴い、全身真っ白のワンピース型ユニフォームが登場します。
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医師用白衣・ユニフォームの多様化
清潔さを感じさせる白衣が一般化したのち、1960年代を境に医療用ユニフォームのデザイン性や機能性が多様化していきました。では次に、医療現場において白色が最適なのか、といった疑問もふまえてポイントを見ていきましょう。
白衣の色について:補色残像
医療用ユニフォームが多様化し、「カラー白衣」という新ジャンルが誕生した理由としては「補色残像」に関わる問題が挙げられます。赤や青などの有彩色を凝視したあとに白い壁などを見ると、さっきまで見ていた色の補色(対照色)が視界に浮かび上がることがあります。それが「補色残像」と呼ばれる現象です。
この現象は、長時間にわたる外科手術などで医師や看護師の視界に支障をきたすことが判明しました。赤色の血液を長く見続けていると、視線を向けた先々で補色である青緑色が残像となって現れてしまうのです。補色残像の影響を和らげるには、青色や緑色を医療現場に配して、日常的に目にすることが効果的です。
補色残像の改善策が明らかとなってからは、医療従事者のユニフォームには水色や薄緑色が採用されるようになりました。ユニフォームだけでなく、手術室や病室の壁、カーテン、シーツなども白から青緑色へ変更する医療現場が増えています。
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白衣の色について:白衣性高血圧
医療用白衣のカラーが多様化したもうひとつの理由に、「白衣性高血圧」という問題があります。
「白衣性高血圧」とは、患者さんの血圧を測った際に、実際の数値よりも高い血圧結果が出てしまうこと。この現象は、患者さんが病院という場で緊張感や不安感、ストレスなどを感じることで血管が収縮し、血圧が上昇するために起きると考えられています。
「医者・看護師=白衣」というイメージが定着したことで、白衣を見ただけで血圧が上がるケースもありました。この「白衣性高血圧」という現象を避けるために、医療現場でカラーユニフォームが導入され始めたのです。
しかし、白いユニフォームに安心感や信頼感を抱く患者さんも当然いるため、手術着は青や緑色、血圧測定以外の診察時は白衣を用いるなど、上手く使い分けている病院も多くあります。白をベースにした白衣にアクセントカラーを入れたデザイン白衣も普及しているので、医療従事者にとっても選ぶ楽しみが生まれました。
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白衣の種類・スタイルの変化
「ドクターコート」と呼ばれる白衣が一般的だった白衣のデザイン性に注目が集まったきっかけは、1960年代にアメリカで大ヒットした医療ドラマ「ベン・ケーシー」も関係しています。主人公のケーシーが着ている白衣はスタンドカラーの半袖で、体の中心ではなく肩にボタンがついています。体にフィットするのでコート型よりも動きやすく、見た目もスタイリッシュということで話題となりました。
看護師の白衣は、第二次世界大戦後に女性の権利拡大が進んだことで、動きやすさが重視され、足首まであったスカート丈が短くなり、ナースキャップのサイズも変化。1970年代にはパンツスタイルが登場し、1990年代以降はスクラブが人気を博しています。
また、白衣に使用される素材や、ユニフォームとしての機能性も時代と共に変化を遂げていきました。自動洗濯機で洗ってもシワになりくいポリエステル、肌に優しい綿100%など、自分のニーズに合わせて選べるようになったのです。
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今風な着こなしは?おすすめの白衣シリーズ
白衣・スクラブのメーカーが増えたことで、ユニフォームの選択肢は格段に広がりました。機能面の充実度はもちろん、デザイン性にもこだわった着こなしが実現。近年は特にユニセックスなコーディネートが支持されています。
ここでは、仕事へのモチベーションを高める、人気の白衣シリーズをご紹介しましょう。
ライトシリーズ白衣
医療用白衣メーカー「クラシコ」において、最も軽いオリジナル素材「ライト」を使用して作られた白衣です。その秘密は、酸化チタンを練り込んだフルダル糸にあります。糸の内部が空洞になっている中空糸と、ストレッチ性に優れた糸を使用することで、従来の白衣よりも約20%の軽量化が実現しました。ソフトな肌触りの生地は透けにくく、着心地や動きやすさも抜群。糸が持つマット感が医療用ユニフォームとしての上質さを演出してくれます。
メンズ用は丸みを帯びたリラクシングなシルエット、レディース用はフレアシルエットでスタイルアップできるのが特徴です。どちらも内側に施された裏地のデザインがさりげなくオシャレで、軽やかな着こなしをサポートしています。
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メンズ白衣:クラシコジップケーシー
お手入れのしやすさや動きやすさ、衛生面のメリットからスクラブ人気が高まる中で、進化を遂げたケーシー白衣も再び注目されています。デザインがリニューアルした「クラシコジップケーシー」は、生地に新素材であるクレメルスーピマを採用。柔らかくストレッチ性の高い糸を高密度に織り込むことで、着心地の良さと高い機能性、美しい発色が実現しました。
ジップタイプなので脱ぎ着もしやすく、ファスナーを半分隠すことでジップの存在感を上品に抑えています。ケーシー白衣が放つ高級感はそのままに、ほどよいカジュアル感も出せるアイテム。ボトムはあえて白以外をチョイスすることで、見た目にメリハリがつく上に個性をアピールできます。
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ジェラート ピケ&クラシコ:プルオーバースクラブ
女性におすすめしたいのは、大人気のルームウェアブランド「gelato pique(ジェラート ピケ)」と「クラシコ」がコラボレーションしたナースウェアシリーズ。定番のスクラブは、左袖にさりげなくジェラート ピケのロゴが刺繍されていて、バックの内側にはジェラピケらしさ溢れるストライプがデザインされています。
こちらは豊富なカラーラインナップが人気のポイント。白はもちろん、ブルーラベンダーやバーガンディー、ディープネイビー、爽やかなミント、可憐なピンクの6色から、お気に入りの一着が見つかるでしょう。テーラードコートも合わせれば、統一感のあるコーディネートの完成です。
ジェラート ピケ&クラシコ:プルオーバースクラブの商品ページはこちら
クラシコで常に変化し続ける機能的な白衣を楽しもう
古代インドに起源を持つ白衣は、人々が公衆衛生などのあらゆる問題と向き合うことで辿り着いたユニフォームです。白衣デザインの変遷や流行、女性の活躍と深く結びついたナースウェアの変化などに目を向けると、進化し続ける白衣の奥深さが見えてきます。今風な着こなしと機能性の向上が実現するクラシコの白衣シリーズもチェックして、毎日の仕事をより快適にしましょう。
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ABOUT Classico クラシコについて
「なぜかっこいい白衣がないのか?」私たちクラシコは、医師の一言から白衣づくりを始めました。2008年の創業以来、いつもきれいで気持ち良く仕事ができる、そんな医療ウェア作りを目指してきました。スタイリッシュでお洒落なシルエットの白衣、そして着る人の気持ちを幸せにし、自信を溢れさせ、ときには気持ちを引き締め、患者さんや医療従事者のまわりの人たちに良い印象を与える白衣を目指して医療ウェアを作り続けています。
医師が一度は着てみたい白衣ランキング1位に選ばれ、白衣をはじめ、スクラブ・ケーシー・ナース服・聴診器や、医療チームの一体感を高めるチーム白衣・病院ロゴ刺繍なども承っています。
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